DSM/QAI両研究会統合のお知らせ

情報処理学会インターネットと運用技術研究会のお知らせ (2008年3月)

 分散システム/インターネット運用技術研究会(以下,DSM研究会)は1996年に創設され,当初は大学や企業の計算機システムなど大規模分散システムの構成技術や管理運用技術に関する研究発表の場を提供してきました.その後,インターネットの爆発的な普及を背景に,多くの組織が抱えるネットワークの構築・運用技術に関する技術的な課題に関する研究発表が多くを占めるようになってきました.さらに管理者だけでなく,利用者にも関わりの深い,コンピュータやネットワークを利用した様々な利用方法に関する幅広い研究発表の場となっていました.

 一方,高品質インターネット研究会(以下,QAI研究会)は2001年の創設以来,インターネットにおける通信サービス品質向上のための諸問題の研究,高品質な次世代のインターネット構築に関する研究などの発表の場を提供してきました.研究会創設当初のインターネットの通信品質は極めて劣悪であり,音声や映像をいかに通過させるかという問題を中心に,様々な研究発表が活発に行われましたが,インターネットの高速広帯域化につれ,様々なインターネット上の通信を安定かつ確実に行うための通信方式の研究およびネットワーク構築技術の研究が中心となっていました.

 このような経緯から,両研究会が対象とする研究分野がしだいに重なってきており,研究会参加者の視点では両研究会の区別が困難となりつつありました.また,情報処理学会の研究会において,その名称に「インターネット」を含むのは両研究会(DSMとQAI)のみですが,その名称から,いずれの研究会も「インターネット技術全般」を研究対象にはしていないように見られがちでした.そこで両研究会を統合し名称を「インターネットと運用技術研究会(IOT研究会)」とすることで,新研究会がインターネット技術全般およびインターネットを含む大規模分散システムの構成および管理・運用技術を研究対象とすることを明確に示すことができます.これによって,さらに幅広い研究テーマで多くの人達に参加してもらうことが可能となると期待します.

 活動実績として,DSM研究会はこれまで毎年シンポジウムを開催し,さらに論文誌特集号を発行してきた実績を持ちます.一方,QAI研究会は情報処理学会とIEEE Computer Societyとの共催でほぼ毎年開催されるInternational Symposium on Applications and the Internet (SAINT)の受入れ研究会として実質的な運営を行うなど,様々な当該分野の研究活動支援を実施してきました.これらの活動をIOT研究会においては,さらに効果的な形態で統合し,引き続き実施する予定です.

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